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看護1 学生間における、インシデント情報の共有による意識変化 ―看護学リンチ実習における危機意識向上への取り組み―

錦織 佑衣、山本 遥奈、奥田 歩美、原 和心

出雲医療看護専門学校 看護学科

Keywords: 看護専門学校生、インシデント、看護学実習

 

1はじめに

近年の看護学生は新型コロナウィルス感染拡大により臨地実習時間が減少しており、インシデントについて学ぶ機会も減少していると考えられる一方、医療現場ではインシデント共有が医療事故の発生予防・再発防止手段として用いられている。そこで、学生間における実習中のインシデント共有を行い危機意識向上は図れるか考察する。

1.1 研究目的

学生間でのインシデント共有により、臨地実習での危機意識向上は可能か明らかにする

 

2方法

・対象: A専門学校看護学科2年生84名、3年生63名のうち研究協力承諾が得られた者

・方法:「インシデントへの意識とインシデント内容」をアンケートで情報収集し、「インシデント内容」をまとめ実習前に配布した。その後、実習終了後に再アンケートを実施し「インシデントへの意識」の回答を比較分析した。

 

3結果

1)質問【自分はインシデントを起こすと思うか】に対し「思う・まあまあ思う」が2年生は11%減少し、3年生は6%増加した。

2)質問【報告書を書くことになった場合、ど

んな気持ちになると思うか】に対し「ポジティブな思い(対策を考える・他学生にもインシデント内容を共有したい等)」のみの回答は、2年生で5%、3年生で6%増加した。

3)質問【実習中のインシデント情報を学生間で共有すべきか】に対し1回目は「思う」72%で、2回目は3%増加した。理由の変動は「自分も気をつけようと思う」が7%減少し、「インシデントを起こした人自身の再発防止になる」が10%増加した。

 

4考察

1)インシデントは誰でも起こり得るという危機意識向上は2年生ではみられず、3年生ではみられた。要因として、実習経験値の違いや3年生は臨地の現実感により援助の責任感も高まりやすいという現状も関係していると考えられる。

2)報告書は情報共有による再発防止策であるという意義を理解した学生が増えたと考えられる。

3)情報共有の経験により、情報共有の意義を実感し自身だけでなく他者に対する良い影響についても理解したと考えられる。

 

5まとめ

学生間インシデント共有は、危機意識や共有の必要性に対する意識向上が可能であると考えられる。

 

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