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臨工2 「医療ボランティア」に対する意識調査について

福嶋滉平 黒田しほ

出雲医療看護専門学校 臨床工学技士学科

Keywords: 医療ボランティア活動 知識・技術

 

 

1. はじめに

現在コロナウイルス感染拡大の影響でボランティアの参加人数は減少傾向にある。2021年においては、ボランティア活動を行う人が一昨年とくらべ約140万に減少しており、その原因としてコロナウイルス感染予防のため病院などでのボランティア活動を制限があったためとされている。

本校でも医療ボランティア(以下ボランティア)の勧誘が以前に比べて少なくなっていることからボランティアを行う上で学生にどのような影響があるのかを調査していくこととした。そのなかで学生のボランティアに対する思いやその中で考えられる項目を絞って調査することで今後の学生が行うボランティア活動の意識付けやそこに必要と考える知識や技術を確認でき、今後の臨床実習・学内実習に活かすことができるようにしたいと考える。

2. 方法

ボランティアに関して仮定として以下の内容を示し、それに沿った質問をアンケートで行い結果を集計する。仮定として「ボランティアは参加しにくい理由がある」「ボランティアには知識がないといけない」また「知識・技術がいるのであればどのようなものがあげられるか」などを無記名で調査し意見があれば任意で解答できるようにする

3. 結果

ボランティアに参加するのは1人だと心細いですかに対しては、はい236人 いいえ67人と多くの学生がはいと返答した。また、知人との一緒だと参加できるかに対して、はい226人 いいえ10人。 ボランティアに参加するのは知識があったほうが良いかに対しては、はい254人 いいえ35人であった。また、自由回答においては学科別に意見を得ることが出来た。

知人といる方がボランティア活動の効率が上がる/モチベーベーションが上がる/活動内容が増える/スタンダードプリコーション(感染予防)が必要/医療機器・医療材料を適格理解する/コミュニケーションがしっかりとれる/移動支援(車いすやストレッチャー)・ベットメイキングなどが正確にできること などがあげられた。

4. 考察

多くの学生は知人がいることによりボランティア活動に参加しやすいという傾向がみられ、限られたコミュニティの中で活動するうえでは周囲に少しでも同じ環境の方がいることが心強いのではと感じている。また「知識がある方が信頼を得られる」との返答がどの学科からも見られたことから、医療ボランティアを行う上では学生の意識に中に「知識」と「技術」があった方が活動内容を広げることができるなどの前向きの意見も見られたことからボランティアへの参加意識はあるものと思われた。

現時点では感染予防などの観点から自己の感染予防や感染のキャリアになる場合などの知識が必要な場面が多くあり、各学科の特性以外にも標準的予防策(Standard Precautions)などの基礎知識があることが参加意識の向上につながると思えた。

5. まとめ

今回の結果より仮定に挙げた内容に対する各学科の学生の考えを得ることが出来た。コロナ対策のため医療施設のアンケートができず学生との考えの差異を示すことが出来なかった。ボランティア活動とは自発的で任意であることから学生のボランティア活動に関する思いにズレが出てきていると考えられる。以前の様に自由で学生が進んで参加できるようなボランティア活動ができるような時期が来ることを期待する。

 

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